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自治体・DMO連携で地方誘客をつくる|旅行会社側の提案と実装

自治体・DMO連携で地方誘客をつくる|旅行会社側の提案と実装

結論から言うと、自治体・DMOとの連携が送客につながらない最大の原因は、企画の質ではなく時間軸のズレです。 自治体の会計年度は4月1日から翌年3月31日の単年度で、事業の公募が実際に出るのは予算成立後の4月以降、受託して動き出せるのは早くて5〜7月です。一方、海外の旅行会社やOTAが訪日の団体商品を売り始めるのは出発の6〜12か月前、教育旅行など学校・組織単位の案件では12〜18か月前に行程が固まるのが実務上の相場です(いずれも新規造成の団体商品についての経験則であり、FITや既存商品の差し替えには当てはまりません)。つまり「新規エリアで・ゼロから造成し・海外のホールセール経由で団体を売る」という組み合わせに限れば、今年度中に規模のある送客実績を出す前提の事業は、まず成立しません。 年度内に出せるのは商品と受入体制と販路の接続までで、送客の数字が立ち上がるのは早くて翌年度、実質は2〜3年目です。

ただし、これは「年度内に1人も送れない」という意味ではありません。 既存の仕入在庫がある、既存商品の行程を差し替えるだけで済む、自社OTAや直販で売れる、在日外国人・国内客・FITや少人数グループを対象にする——こうした条件が揃えば、年度内に予約・催行・来訪まで到達することは十分あります。 提案時にやるべきは「年度内は無理です」と切ることではなく、年度内に出せる送客を小規模の実証送客(テストセール)として切り出し、規模化は翌年度以降に置くという2段構えを、KPIの形で先に合意することです。

そしてもう一つ、提案前に確認すべき前提があります。「その地域は誰が売るのか」です。 観光庁の登録DMO制度に登録されていることと、そのDMOが旅行業登録を持っていることはまったく別の話です。旅行業登録のないDMOは、自ら旅行商品を企画・募集して旅行者から代金を収受することができません。この場合、造成・販売の主体は旅行会社側になり、DMOは素材の取りまとめと地域内調整の役割に回ります。 誰が契約当事者で、誰が代金を収受し、誰が取消料を被るのか。ここを曖昧にしたまま「一緒に商品をつくりましょう」で進めると、販売直前に止まります。

なお、本記事に挙げる日数・期間・金額・件数は、実務の設計に使うための目安であり、特定の自治体・DMO・年度の公表値ではありません。 交付金や補助事業の制度名・要件は再編が頻繁で、過去の名称のまま説明すると提案書ごと信用を失います。応募前に、観光庁および所管省庁が公表する当該年度の要綱・公募要領の原文と、対象自治体の当該年度予算・公告に必ず当たってください。 旅行業登録の要否と可否は管轄の運輸局、契約条件は個別の契約書面と自治体の契約規則によります。

自治体・DMOとの連携は、どの型で組むのが自社に合うのか

連携の型 自社の収益源 意思決定の速さ 自社が負うリスク 年度内に成果が出るか 向く会社
受託型(調査・造成・ファムトリップ等の業務委託) 委託費(役務対価) 遅い(公募〜契約で概ね2〜4か月・経験則) 低い(実費は精算) 出る(報告書・実施実績として) 実績がなく、まず入口をつくりたい会社
共同造成型(自治体/DMOが素材と地域調整、自社が商品化・販売) 委託費+送客時の手配収益 中(既存の関係が前提) 中(仕入れ在庫を持てば取消料リスク) 出にくい(送客は翌年度以降) 販路を持っていて、素材が欲しい会社
送客パートナー型(協定・覚書ベース、金銭委託なし) 手配収益のみ 速い(予算執行を伴わない) 中(自社の営業コストは自腹) 出ない(単年度の事業成果に載らない) 既に海外に販路があり、地域側が受入に本気の場合
自主造成型(自社リスクで商品化、地域は協力のみ) 手配収益+商品マージン 最も速い 高い(在庫・販促費・不発リスクを全負担) 出ない 独自素材を囲い込みたい会社

この表の使い方は「どれが優れているか」ではなく、「入口の型と、その先に置く型を分けて設計する」ことです。 受託型だけを繰り返すと、年度が終わるたびに関係がリセットされ、報告書が積み上がるだけで送客は増えません。逆に、実績も信頼関係もない段階で自主造成型に振ると、地域側の受入調整(宿の枠、二次交通、ガイド、地元合意)が付いてこず、商品が絵のまま終わります。

なお、「受託型を繰り返すのは悪」と単純に決めつけないでください。 受入体制の整備、データの継続測定、繁閑・災害時の運営、コンテンツの改訂は、本来が長期の公共的機能で、委託が続くこと自体に合理性があります。需要が未検証で、在庫のコントロールも効かず、地域側が最低保証を負う気もない段階で共同造成型に移すと、公費が旅行会社の顧客獲得補助に化けたうえ、在庫と取消のリスクだけが民間に移るという最悪の形になります。移行の条件は「年数」ではなく、需要が確認できたか、在庫を押さえられるか、地域側がリスクを分担するかです。

そのうえで現実的な進め方は、受託型で1年目に「地域側の実力の棚卸し」を済ませ、条件が揃った段階で共同造成型に移すことです。 1年目の受託で必ず持ち帰るべきは、綺麗な報告書ではなく、①宿の実在キャパと繁閑、②空港・主要駅からの二次交通の所要時間と最終便、③受入可能な言語と食対応、④現地で意思決定できる人の名前と連絡先の4点です。これらが揃っていない地域は、どれだけ素材が良くても商品化できません。

自治体・DMOの予算はいつ、どういう形で動くのか?

多くの自治体では、予算要求が前年度の夏から秋にかけて固まり、議会での予算成立は概ね3月、公募・発注は4月以降というサイクルになります。 ここから逆算した営業カレンダーが下表です。ただしこれは典型例であって、すべての自治体・すべての事業に当てはまる時計ではありません。 補正予算で年度途中に事業が立つこともあり、債務負担行為や複数年度契約が設定されていれば、年度をまたぐ契約自体が可能です。 対象自治体の当該年度の予算書と公告で必ず確認してください。

時期 自治体・DMO側で起きていること 旅行会社側がやるべきこと
6〜9月(前年度) 翌年度事業の企画立案・予算要求の下ごしらえ 最重要期。情報提供・勉強会・現地視察の提案。ここで入れた論点が翌年度の公募要領に載る
10〜12月 予算要求の査定 事業の粒度・規模感のすり合わせ、他地域事例の提供
1〜3月 議会審議、予算成立 提案書の骨子準備、体制(通訳・ガイド・車両)の仮押さえ
4〜6月 公募開始、プロポーザル、契約 応募・プレゼン・契約。ここから動き出しても企画には間に合わない
7〜2月 事業実施 造成、ファム、商談会、販路接続
3月 実績報告・精算 報告書提出。年度末で契約が切れる

公募が出てから初めて地域を調べ始める会社は、提案の解像度で不利になります。 公募型プロポーザルの要領は、多くの場合その前年度に自治体側が地域の課題認識をまとめる過程でできあがっているため、要領を読んで初めて課題を知る状態では、現場を踏まえた提案が書けません。

ただし、これは「事前に接触して仕様を自社有利に寄せる」という意味では断じてありません。 公共調達は公平性・透明性が前提で、特定事業者への便宜や仕様の誘導は、発注者側の規定違反にも自社のコンプライアンス問題にもなります。やるべきは、公開の勉強会・セミナー・視察受入・業界動向の情報提供といった、誰に対しても開かれた形での関与です。 受注確度は最終的に、参加資格、実施体制、価格、評価項目への適合、過去の履行実績で決まります。前年度からの関与が効くのは「地域を理解しているから良い提案が書ける」という経路であって、それ以外の経路を期待すべきではありません。

そして単年度で切れる契約が実務を壊します。 3月末で契約が切れ、翌年度に同じ事業が続く保証はなく、担当者も異動します。まず確認すべきは、その事業に債務負担行為や複数年度契約の設定余地がないかです。 複数年度で組めるなら、送客が立ち上がるまでの時間差を契約の中に吸収できます。設定がない場合に限って、以下の「資産として残す」対処が必要になります。対策は、成果物を「その年度の報告書」ではなく、翌年度も使える資産の形で残すことです。 具体的には、地域の受入体制データベース、宿・交通事業者の連絡先と対応可否の一覧、多言語化された素材、そして販路側(海外旅行会社・OTA)からのフィードバックを記録した文書。担当者が代わっても引き継がれるものだけが、2年目の予算の根拠になります。

契約方式も確認してください。 観光系の業務委託は公募型プロポーザル(企画競争)が中心ですが、金額が小さい案件は少額随意契約、仕様が固まっている調査は一般競争入札になります。プロポーザルでは価格点より企画点の比重が高いのが通常ですが、配点は案件ごとに公告で示されます。「例年こうだから」で読まず、当該年度の公告を確認してください。

なぜ「ファムトリップをやったのに送客が増えない」のか?

ファムトリップ(FAM trip/招請旅行)は、実施すること自体が目的化しやすい施策の代表です。 海外の旅行会社やメディアを5〜15名程度、2〜4泊(いずれも実務上よく見る規模で、規定値ではありません)で招請し、現地を体験してもらう。実施すれば報告書は書けますし、写真も撮れます。しかし送客に変わらない場合、原因はたいてい次の4つのどれかです。

  • 招請した相手が、その地域を売れる人ではなかった。 送客の意思決定をするのは商品造成の担当者やプロダクトマネージャーであって、営業担当やインフルエンサーではありません。「誰を呼ぶか」を人数目標で埋めると、体験は良かったが商品化の権限がない人ばかりになります。
  • 商品化に必要な情報を渡していない。 相手が持ち帰るべきは感動ではなく、素泊まり/1泊2食の仕入価格、最少催行人数、車両の定員と手配可否、キャンセル規定、繁閑カレンダー、代替雨天プログラムです。これらを一覧で渡さないファムは、見学旅行にしかなりません。
  • 販売までのリードタイムを見ていない。 秋にファムを実施し、3月末の報告書に「送客ゼロ」と書く。当然です。相手が翌シーズンの商品に載せ、販売を開始し、実際に催行されるまでには、ホールセール経由の団体商品なら1年前後を見ておくのが安全です(既存商品への行程差し替えやFIT向けなら、これより大幅に短くなります)。 この時間差を事業設計時にKPIとして合意していないと、成功していても失敗と評価されます。
  • 受入側が実は受けられない。 宿の枠が押さえられない、二次交通が組めない、繁忙期は既存の国内需要で満室。ファムの前に受入可能性を潰しておかないと、「行きたいが送れない」で終わります。

改善策はシンプルで、ファムの前後に工程を足すことです。 事前に受入可否の実地確認、事後に見積書ベースの具体提案と、90日以内のフォローアップ商談。ファム単体ではなく、この3点セットで1本の事業として提案してください。招請した各社について、商品化検討の可否・想定シーズン・想定単価・障害要因を記録した追跡表を残せば、それがそのまま翌年度予算の根拠資料になります。

DMOと組むとき、旅行業登録は誰が持つのか?

観光庁の登録DMO制度は、カバーする区域の広さに応じて複数の区分を設けており、登録にあたっては、地域の舵取り役としての位置づけ、データの継続的な収集・分析とKPI設定を含む戦略策定、関係者との合意形成の仕組み、安定的な運営資金の確保といった要件が求められます。 区分の名称と登録要件・KPIの必須項目は改正が入るため、本記事では個別名称を列挙しません。提案書に書く際は、観光庁が公表する当該時点の登録要領・ガイドラインの原文で確認してください。(区分名は過去に変更されており、古い名称のまま提案書に書くと、それだけで地域側の信用を落とします。) そのうえで押さえるべき点として、この登録は旅行業登録とは無関係です。 登録DMOであっても旅行業登録を持たない組織は多く、その場合できることは次のように分かれます。

機能 旅行業登録のないDMO 旅行業登録のあるDMO 旅行業者(第1種〜第3種・地域限定) 旅行サービス手配業者(ランドオペレーター)
地域素材の発掘・磨き上げ できる できる 補助的にできる 補助的にできる
事業者間の合意形成・地域内調整 できる(最大の強み) できる できない(地域の当事者ではない) できない
企画旅行の企画・募集・代金収受 できない できる(登録区分ごとの制限あり) できる(区分の範囲内) できない(旅行業登録が別途必要)
海外の旅行会社への販売・送客受け できない 登録区分と実務体制による できる 受託手配としてできる(募集主体にはならない)
現地オペレーション(車両・ガイド・精算) 体制次第 体制次第 できる できる(本来業務)

※ランドオペレーターを旅行会社と同じ列で語らないでください。 旅行サービス手配業の登録は、旅行業者等の依頼を受けて運送・宿泊・ガイド等を手配するための登録であり、それ自体では旅行者に向けて企画旅行を募集し代金を収受することはできません。 同じ法人が旅行業登録も持っている場合に限り、その部分について可能になります。

したがって、旅行業登録のないDMOと組む場合の役割分担は、「DMOが地域内をまとめ、旅行会社が商品化・販売・オペレーションを持つ」が基本形になります。 このとき契約上の当事者は旅行会社と旅行者(または海外の旅行会社)であり、取消料と旅程上の責任も旅行会社側に来ます。 DMOの協力覚書には、宿・交通・体験施設の枠確保についてDMOがどこまで関与するのかを明記してください。「地域が協力する」という文言は、在庫の保証にはなりません。

登録区分による制限は「企画旅行一般」ではなく、契約類型ごとに効き方が違います。 第3種旅行業や地域限定旅行業で地域の制限がかかるのは主に自ら実施する募集型企画旅行であり、受注型企画旅行や手配旅行まで同じ範囲制限がかかると短絡しないでください。第2種は海外の募集型企画旅行を実施できないという別の軸の制限です。「どの区分か」だけでなく「募集型か・受注型か・手配旅行か」「国内か・海外にまたがるか」を掛け合わせて確認し、疑義があれば管轄の運輸局に照会してください。 広域周遊を売りたいのに造成主体の登録区分では募集できない、という不整合は提案段階で潰しておくべきです。(登録区分と業務範囲の整理は「b2b-tsuyaku-annaishi-ho-mushikaku-guide」も参照)

地方誘客で最初に潰すべきボトルネックはどれか?

素材の魅力は、ボトルネックではないことがほとんどです。 商品化が止まる原因は、次の順で発生します。上から順に確認してください。

  1. 二次交通。 空港・新幹線駅から現地までの所要時間、最終便の時刻、貸切バスの手配可否と車庫の位置。「バスで1時間」ではなく、「何時発の何で行き、何時に着き、最終は何時か」まで確定していなければ行程は組めません。 貸切バス側の制約(拘束時間、運転者の交替要件、実車距離)で成立しない行程は珍しくありません(「b2b-kashikiri-bus-tehai」参照)
  2. 宿のキャパと在庫。 地方は総客室数が少なく、団体1本で1軒が埋まる規模が普通です。既存の国内需要と繁忙期が重なると枠が出ません。アロットメントを取るなら、リリース日と取消料の起算日を必ず確認してください(「b2b-allotment-shukuhaku」参照)
  3. 食事対応。 ハラール・ベジタリアン・アレルギー。地方の宿では対応可否が分かれます。「相談可」は対応可ではありません(「b2b-halal-vegetarian-shokuji-tehai」参照)
  4. 言語とガイド。 現地に対応可能なガイドが常時いるのか、都市部から同行させる必要があるのか。後者なら移動と宿泊のコストが行程原価に乗ります
  5. 決済・免税・キャッシュレス。 現地消費を伸ばす前提条件です。旅行消費額をKPIに置くなら、ここが整っていない地域では数字が動きません
  6. 緊急時対応。 医療機関までの距離、夜間対応、悪天候時の代替。ここが空白の地域に高単価の客は送れません(「b2b-inbound-trouble-taio」参照)

1〜2が解けない地域は、通常の宿泊付き周遊商品としては年度内に商品化できません。 ただし逃げ道はあります。 近隣都市に宿泊を置いて当該地域は日帰りで組む、貸切車両で二次交通を自前化する、催行日を限定して繁忙期を外す、少人数に絞って宿の枠問題を回避する——「商品化できない」ではなく「この形なら成立する」を提案段階で出せるかどうかが、受託者の力量です。 そのうえで、恒常的な送客には1〜2の解消が要る旨を正直に伝え、初年度をボトルネック解消の事業として設計するほうが、結果的に長く続きます。

KPIをどう握れば、成功した事業が失敗と評価されずに済むのか?

登録DMOには、旅行消費額や延べ宿泊者数、満足度といった指標を必須KPIとして設定・分析することが求められます。 ただし必須項目の顔ぶれは改正されており(過去に必須だった項目が外れ、新たに加わった項目もあります)、本記事では列挙しません。 提案書に載せる前に、観光庁が公表する当該時点のガイドラインで必須項目を確認してください。古い必須項目のまま提案書を書くと、地域側の登録実務と噛み合いません。

一方、旅行会社側の関心は送客人数と手配収益です。この2つは重なりますが、同じではありません。 注意すべきは、自治体側が入込客数(日帰りを含む)を主指標に置いている場合です。入込客数は診断指標としては有用で、閑散期・エリア分散・交通結節点の状況を見るには適しています。問題は、これを唯一の成果指標に据えたときです。 入込客数は日帰り客でも伸びる一方、宿泊も消費も伸びず、混雑だけが増える方向に事業が進みます(分散送客の考え方は「b2b-overtourism-bunsan-soukyaku」参照)。

提案時に、指標を3層に分けて合意してください。

層 指標の例 いつ測れるか 誰の責任か
実行KPI(年度内に必ず出る) 造成商品数、受入可能宿泊施設数、価格表整備率、招請社数、商談件数、追跡表に載った商品化検討案件数 年度内 主に受託者(旅行会社)
接続KPI(翌年度に出る) 海外側での商品掲載数、販売開始社数、見積依頼件数 6〜12か月後 双方
成果KPI(2〜3年目に出る) 送客人数、延べ宿泊者数、旅行消費額、リピーター率 18〜36か月後 主に地域(受入体制)+販路

この3層を最初の提案書に書き、初年度の主たる評価を実行KPIに置くことを合意しておくのが、事業を2年目につなげる現実的な設計です。 逆に、既存在庫も既存販路もない状態で初年度から成果KPIだけで評価される契約を受けると、達成不能な目標を背負ったまま年度末を迎えます。ただし、成果KPIを初年度に置くこと自体が誤りではありません。 既存商品の差し替えで売れる、既に販路がある、ベースラインが取れている——こうした条件が揃うなら、初年度から成果KPIを置いて構いません。判断基準は「早いか遅いか」ではなく、「その数字を動かす手段が初年度中に自社の手に入るか」です。

測定方法も先に決めてください。 延べ宿泊者数を誰がどう集計するのか、旅行消費額をアンケートで取るのかキャッシュレス決済データで取るのか。測定手段が未定のKPIは、年度末に「測れませんでした」となり、そのまま事業の失敗として記録されます。

よくある質問(FAQ)

Q. 公募が出てから提案準備を始めても間に合いますか? A. 書類は間に合いますが、提案の解像度で不利です。地域理解は前年度から積む必要があります。ただし公平性の範囲を守り、公開の勉強会や視察受入で関与してください。

Q. 旅行業登録のないDMOとは組めませんか? A. 組めます。多くの場合、造成・販売・代金収受と取消料リスクは旅行会社側が持ちます。ただし誰が募集主体かは契約構造で決まるため、覚書で役割を明記してください。

Q. 初年度に送客何人という目標を求められたらどうしますか? A. まず既存在庫と既存販路の有無を確認します。無いなら小規模の実証送客を年度内成果として切り出し、規模化は翌年度に置く2段構えで合意してください。

Q. ファムトリップは何人招請すれば効果が出ますか? A. 人数より権限です。商品造成の決定権を持つ担当者を少数呼び、仕入価格表と催行条件を渡し、90日以内に商談へ接続する設計にしてください。

Q. 単年度で契約が切れると関係もリセットされますか? A. 成果物の形次第です。受入体制データベース、事業者連絡先一覧、販路からのフィードバック記録を残せば、担当者交代後も翌年度予算の根拠になります。

Q. 単年度契約でも年度をまたぐ事業設計はできますか? A. 債務負担行為や複数年度契約が設定されていれば可能です。予算書と公告で設定の有無を確認し、無ければ翌年度予算の根拠となる資産を残す設計にしてください。


Last updated: 2026-09-01