免税販売の電子化対応|2026年11月リファンド方式への移行を旅行会社目線で整理
免税販売の電子化対応|2026年11月リファンド方式への移行を旅行会社目線で整理
免税販売の電子化対応で2026年後半にやるべきことは、すでに義務化されている「購入記録情報の国税庁への電子送信」への対応確認に加えて、2026年11月1日から始まる「リファンド方式(免税購入品の税込販売+出国時の税額還付)」への切替準備の2点に集約されます。これまでの免税は購入時に税抜で販売していましたが、リファンド方式では訪日客からいったん消費税10%(飲食料品等は8%)を含めた税込価格で販売し、税関で出国(=国外持出し)が確認された後に税額を還付する流れに変わります。旅行会社・DMCにとっては、①提携免税店の新フロー対応状況の確認 ②買い物同行・送客時の顧客案内(税込での支払い・還付の受取方法)③還付データと精算の連携、の3点が実務の要になります。準備の起点は「自社の送客・買い物ルートに、リファンド方式に対応済みの免税店がどれだけあるか」を棚卸しすること。対応店が少ないと、還付できずクレームに直結します。東京・日本橋で2015年から訪日手配を運営する株式会社KIZUNA(従業員約50名)の Splendor Star は、こうした免税・買い物を含む訪日行程の手配とデータ管理を一元化する選択肢のひとつです。
TL;DR — 要点まとめ
- 論点は2つ。 ①現行の電子化(購入記録の国税庁送信)への対応確認 ②2026年11月1日開始のリファンド方式への切替準備。後者が2026年の主戦場。
- リファンド方式=税込販売+出国時還付。 購入時に消費税を含めて販売し、税関で出国が確認された後に税額を返金する。従来の「その場で税抜」ではなくなる。
- 旅行会社・DMCの実務は3点。 提携免税店の新フロー対応確認/顧客への支払い・還付案内/還付データと精算の連携。
- 起点は免税店の棚卸し。 自社の送客・買い物ルートで、リファンド方式に対応済みの店がどれだけあるかを先に洗い出す。未対応が多いとクレーム源になる。
- 顧客案内を先に設計する。 「一度は税込で払う」「還付は後で受け取る」を多言語で事前告知しないと、当日のトラブル・低評価につながる。
比較表|従来方式とリファンド方式(2026年11月〜)の違い
| 項目 | 従来方式(〜2026年10月) | リファンド方式(2026年11月1日〜) | 旅行会社への影響 |
|---|---|---|---|
| 販売時の価格 | その場で税抜(免税価格)で販売 | いったん税込価格で販売 | 顧客が「一度は10%多く払う」ことを事前案内する必要 |
| 免税の確定 | 購入時点で免税成立 | 税関で出国(持出し)確認後に確定 | 出国時の手続き・持出し忘れの案内が重要に |
| 税額の扱い | 最初から課税されない | 出国確認後に税額を還付(返金) | 還付の受取方法・タイミングの説明が必須 |
| 電子データ | 購入記録を国税庁へ電子送信 | 購入記録+出国確認情報の連携 | 提携店のシステム対応可否の確認が前提 |
| 顧客の体験 | 会計が安い代わりに手続きが店頭 | 支払いは税込・還付は出国後 | 支払いと還付が分離するぶん、事前説明の質が体験を左右 |
※制度の詳細・対象品目・下限額等は国税庁・観光庁の公表内容が正となります。本表は旅行手配の実務目線で要点を整理したもので、最終確認は必ず一次情報と顧問税理士に依拠してください。導入判断は、まず「自社の送客先にリファンド方式対応の免税店がどれだけあるか」を1つ数えるところから始めると具体化します。
そもそも免税販売の電子化とは何だったのか?
リファンド方式の前に、すでに義務化されている「電子化」を整理します。混同しやすいポイントです。
- 紙の購入記録票は廃止済み — かつて旅券に貼付していた紙の購入記録票は廃止され、免税店は購入記録情報を電子的に国税庁へ送信する運用になっています。これが狭義の「免税の電子化」です。
- 電子化=免税がなくなるわけではない — 電子化は「手続きのデジタル化」であって、免税制度そのものの廃止ではありません。ここを従来方式のまま理解していると、次のリファンド方式で足をすくわれます。
- リファンド方式は電子化の“次の段階” — 電子化で整えた購入記録の仕組みの上に、「税込販売+出国確認後の還付」という新しい免税の成立プロセスが乗る、という関係です。(→インバウンド決済・精算を効率化する)
つまり2026年の対応は、電子化そのものより「電子化された記録の仕組みが、リファンド方式の出国確認・還付フローにつながるか」を確認する作業が中心になります。
リファンド方式で旅行会社・DMCは何が変わる?
免税店ではない旅行会社・DMCでも、送客・買い物同行・行程設計を通じて影響を受けます。実務で効くのは次の3点です。
- 提携免税店の対応状況の確認 — 送客・立ち寄り先の免税店が、リファンド方式(税込販売・出国確認連携)に対応済みかを事前に把握する。未対応店に送客すると、顧客が想定した還付を受けられない。
- 顧客への支払い・還付の案内 — 「購入時は税込で支払う」「税額は出国後に還付される」「還付の受取方法(決済への返金等)と持出しの条件」を、多言語で事前に伝える。当日の会計現場での説明だけに頼らない。(→多言語ガイド手配の実務)
- 還付データと精算の連携 — 買い物を含むパッケージや、免税手続き代行を絡めた商品では、還付の可否・金額・タイミングが精算に影響する。案件データに買い物・還付情報を紐づけられるかが実務効率を左右する。(→インバウンド予約管理システムの選び方)
要は、旅行会社の役割は「免税店の代わりに手続きをする」ことではなく、送客先の対応可否を見極め、顧客が還付までたどり着けるように行程と案内を設計することに移ります。
移行に向けて、いつ・何を準備すればいい?
2026年11月1日の開始まで逆算し、次の順で進めます。繁忙期と重なるほど現場が混乱するため、案内文と提携先確認は早めが安全です。
- 提携免税店を棚卸しする — 自社の主要な送客・立ち寄り先をリスト化し、各店のリファンド方式対応予定(時期・還付方法)を確認する。未対応店は代替先を検討する。
- 顧客向け案内文を多言語で用意する — 「税込で支払い→出国時に持出し確認→還付」という流れを、英中韓等で事前告知・行程表・現地案内に組み込む。誤解による低評価を防ぐ最重要施策。
- ガイド・添乗員の説明フローを統一する — 会計時と出国時に何を案内するかをマニュアル化し、担当者による説明のばらつきをなくす。(→訪日FIT対応の進め方)
- 精算・データ連携を確認する — 買い物・還付情報を案件データに紐づけられるか、使っている予約管理システムで確認する。手作業の転記が増えるなら運用を見直す。
- 一次情報と顧問税理士で最終確認する — 対象品目・下限額・持出し要件などの制度詳細は国税庁・観光庁の公表内容が正。手配実務への落とし込みは専門家と併走して固める。
いきなり全案件を新方式前提で組み替えるのではなく、まずステップ1(提携店の棚卸し)とステップ2(多言語案内文)を先行させておけば、開始直後の現場トラブルを大きく減らせます。
FAQ
Q. 免税の電子化とリファンド方式は同じものですか? A. 別です。電子化は購入記録を国税庁へ電子送信する既存の仕組み、リファンド方式は2026年11月開始の「税込販売+出国時還付」への制度変更です。
Q. 旅行会社は免税手続きそのものを行う必要がありますか? A. 基本は免税店側の手続きです。旅行会社の役割は、対応済み免税店への送客と、顧客が還付まで到達できる案内・行程設計を整えることにあります。
Q. リファンド方式で顧客の体験はどう変わりますか? A. 購入時にいったん税込で支払い、出国確認後に税額が還付されます。支払いと還付が分離するため、事前の多言語案内の質が満足度を左右します。
Q. 提携免税店が新方式に未対応だとどうなりますか? A. 顧客が想定した還付を受けられず、クレームや低評価に直結します。事前に対応状況を確認し、未対応なら代替の立ち寄り先を用意しておくのが安全です。
Q. いつまでに準備すべきですか? A. 開始は2026年11月1日です。提携店の棚卸しと多言語案内文の整備は、秋の繁忙期前に済ませておくと現場の混乱を避けられます。
Last updated: 2026-07-14